遡る記憶~誠意の過ち~

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そう言うと、苦しそうに頭を抱え込んだ。 『うぅ…ああ…がぁぁぁぁぁ!!』 右手に触れるスイッチに気付いたリリスは慌ててドアを開け、病棟の廊下を駆け出した。だがまだ12歳のリリスには長い廊下を走りきるのは困難。息が上がり壁に備え付けてある手摺りにもたれた。 『はぁ、はぁ、はぁ~…』 行く先は上と下に続く階段だ。リリスは迷う事なく上へと続く階段を上がった。 教会に繋がる扉を押し開けて、祭壇の裏にある小さな広間に出た。とにかく外に出ようとしたが、目の前に広がる光景に絶句して立ち尽くした。
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