遡る記憶~誠意の過ち~

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バシッ!!! 男に平手で打たれてリリスはコンクリートの冷たい床に倒れ込んだ。 腕から血を流しながら男は平然とリリスを肩に担ぎ上げ、ドアの中に入って行った。 リリスは朦朧とする意識で男の白衣を握りしめた。優しかった父の面影を探す様に… 『遅かったな、マルクル』 父の名を呼ぶ男がこちらに近づいてくる。男は肩からリリスを下ろし自分の前に立たせた。 『この娘が…』 ジロジロと見る男は人間ではなかった。
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