遡る記憶~誠意の過ち~

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『どうだ?君にも感じられるだろ、この叫び』 手の中の書物は羊皮紙で作られていて、何も書かれていない。 だがプルートーの言う通りその本から何かが伝わってくる。 『君には感謝しないとね、やっと訪れた好機』 そう言うとプルートーはガラス張りの一室へとリリスを連れて行った。 床は細かなタイルが敷き詰められ、タイルとタイルの間の狭い溝は赤黒く変色している。おそらく血だろう。 中央に備え付けてある銀の椅子にリリスを座らせる。
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