遡る記憶~誠意の過ち~

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『どうして…』 込み上げる涙で視界が滲む。心の拠り所である母がいなくなってしまった。 何故こんなことに… 行き場のない気持ちで空を見上げる。さっきまでの雪が嘘のように晴れ渡っていた。 母の最期の言葉が蘇る。 『確か…お母様は、名も無き憂鬱って…』 だったら行く先は既に決まっている。 リリスは後ろに見える教会を静かに見つめると歩き出した。
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