…モアチューン…(ﾌｨｸｼｮﾝ)

セト

…あぁぁ…
…うなだれるセト…
…折角作った車は壊れてしまった…
…レースまでに治らないぞこれは…
…ロキに戦わずして負けか…僕の人生って…
…
…その日から数日後、
セトは家の中から、
小さなに庭に置いた、
焼けただれた愛車を眺めて放心状態でいた。
…
…時間が無い
…金が無い
…途方にもくれるのだった。
…しかし、
…そんな静かな…
…雰囲気を壊す激しい衝突音が聞こえた。
…
…ブォーン！ブォーン！ブォーン！
ガシャン！
シャラシャラ…
ガッシャーン!!
大きな音と共にガレージが揺れた!
…
セトは慌てて外に飛び出す!
すると.
ガレージの壁に車が刺さっていた!
ありえない!と、
セトは呆然とした。
…
運転席のドアがゆっくりと開き、

天使が降りてきたと見間違えたが、

ローラが降りてきた…
…
…あぁ痛たタ…
…ちょっと.何この車!…
…ローラは.やはり怒っている…
元気そうだ。安心した。
…
…っ止まらないじゃないの!…
ちょっと!セト!何見てるの!？運転初めてなんだから!しょうがないじゃない!…
…
セトは思った（大変です.ローラは操作方法がワカラナイのに運転してきた様です。）

…ローラは思い通りにいかなかったので機嫌が悪い。
たっく!…このボロ車!
…バン!
おもいっきりドアを閉めるが…
…キィィー…
閉まらない…
…ローラは少し苦笑いしながら…
こちらを見るなり、
モジモジし始めた。

セトにはわかる。（ローラがモジモジし始めたら、大きめなお願い事がある時。若干であるが、素直に会話をしてくれると…）

ローラは、
モジモジしながらも、
口調は強い…
…パパの取引先の車屋から一番良いのを.貰って来たわ!
セトはコレでレースに出てシャリーとロキを凝らしめるのよ!
ローラが意気揚々と言う。…
ローラの指す先には、
…数分までは新車で.あっろう車が…
グチャグチャだ…
…セトはローラの元気そうな姿を見て笑った…。
…ローラ恥ずかしそうに.笑うな!と怒った。
…
その仕草に、
セトには普段のローラよりすごく可愛くみえた。
衝動が押さえきれなかった。
幸せが目の前にあり、
セトは思わず、ローラを抱きしめた。
ローラは顔を赤らめてモジモジとしながら無口へとなった。
…
ゆっくりとした、心地良い時間が戻ってきた感じがした。
…
…
……
…………
……………
ローラが持ってきた車は、
セトがレースでも使う同じ車だった。