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*良×桃*2/
PM 2:22
扉を開くと 足元の砂が光を反射しチカチカと光り眩しくて思わず目を閉じた
『先に行ってっからな!!!!』
目をショボショボしながら後ろを振り返ると 既に彼の姿は無く
僕は軽く溜息を吐き 扉を閉めた
暫くすると電ライナーが僕の前に停車し、それと同時に目の前のドアが開いた
「良太郎!早く乗れ!早く!!」
僕が食堂車に行くまで待ち切れなかったのか、彼はドアの前まで僕を出迎えに来てくれていた
一生懸命手招きをし、僕を呼ぶ彼の姿に苦笑いしつつ乗車すると 上機嫌な彼に背中を押されながら食堂車へと向かった
食堂車ではいつもの様に皆に歓迎され 肩を押す彼に急かされながらいつもの席に座った
僕の周りに集まってきた皆に囲まれ 少し緊張しながら持ってきた袋の中身を一つづつ取り出しテーブルへと並べた
それは、僕が大好きな……
「ももゼリぃ~??」
「わぉ、先輩…共食い?」
「【とろけるモモ 感じるゼリー】………何っちゅーネーミングや…ι」
「ボク、プリンの方が良かったー!!」
「何か食べにくいわね……」
様々な反応を見せる皆の中で、冷静に…けれど楽しげに笑って僕を見つめる人が一人
「良タロちゃん…モモが大好きなんですねーww」
彼女には僕の真意が伝わったらしく イソイソとカウンターに戻りコーヒーを淹れ始めた
女の人の勘って、侮れないや……
「ハイ、どうぞ♪スペシャルコーヒー(改)でーすww」
「「「「「(改)って、何(や)!!!!??」」」」」
息のピッタリ合った皆の注目を浴びながらも 彼女はトレーを持ったままニコニコと笑い続けるだけ
逆にその笑顔が恐ろしくて、それ以上は聞こうとせず 全員黙ってコーヒーを受け取った
→続く
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