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私のこの想いは
あの方に伝えてはならない
誰にも悟られてはならない
今日もまた
私専用の研究室に籠り 私の天才的頭脳でもって製作したあの方の等身大ホログラムを眺め淫行に耽る
機械生命体といえ 我々蛮機族はヒューマンワールドの人間共とほぼ変わらぬ生殖機能を持ち合わせている
鉄板製のソファに深く腰掛け オーバーヒートしそうな位に熱くなった股間に手を伸ばした
溶けそうな程に熱い異形のソレは、触れてもいないのに先端から体液が溢れ始めている
機械の心臓が 締め付けられるように苦しい
あの方への想いが 私を狂わせる
両手で異形を握り締め ホログラムに向かって自分の想いを打ち明ける
しかし 映像は映像でしかない
返るコトの無い返事を期待し 私の異形は更に体積を増していく
「くッ………わ…私はッ…こ、の…命尽きるま…で、アナタについて…行き、ま‥す……っ!」
このままではイケない
満足など出来ない
伸ばした左手は映像をすり抜け空を掻いた
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