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家の中にいてはもったいないくらいのいい天気。
俺はタンスの一番上にあった服を着て、自転車にまたがった。
蝉の声がする
肌が焼かれていくのがわかる
空の青が輝いている
きらきらとすべてが眩しく見える。
夏が、好きだ
どこに行く宛もなく飛び出したので、何気なく本屋に立ち寄った。
クーラーが効いている店内はいつもより人が多いように感じられる。
人をよけながらバイク雑誌を手にとり、ぱらぱらめくった。
「あの…」
右を振り向くと、懐かしい顔があった。
「やっぱり!長谷川くんでしょ!?」
彼女は嬉しそうに微笑んで手を叩いた。
そこにいた彼女は、俺が高2の時に付き合っていた綾野だった。
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