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そんな事で私を捨てるの? お金と地位の為に?
「何で……。わ、私はあなたを、愛してるのに……」
「……俺はもう愛してはいない」
頭の中に彼の無機質な声が響いた。聞きたくなかった言葉が、私の胸に突き刺さる。
「そんな。――嘘だと言って……」
私は泣きながらそう言ったが、彼は眉一つ動かさずさらに私を傷つけた。
「嘘ではない……今となっちゃお前は俺の出世の邪魔なんだ」
邪魔……私が邪魔。あなたの為なら何でもしてきたのに……邪魔……
「そ……んな」
「お前はもういらない……」
彼の冷酷な言葉が私を突き刺した。いらない……私はあなたにとってなんだったの? ――もの?
「……あなたにとって私はなんだったの?」
聞かずにはいられなかった――が、直ぐに後悔した。
「……性欲処理機だ。何でも言う事を聞いてくれて助かったよ。だが、もう必要無い」
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