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私が書いたのに続き、梨子達も赤いボールペンで書き込んでいった。
優奈と瞳は私に合わせた大きさで書いたが、梨子はニヤニヤしながらスペースいっぱいに大きく書く。
何だか皆の性格を表したみたいで笑いが込み上げてきた。
「ねぇここで何か唱えるんじゃなかったっけ!?」
瞳が梨子に尋ねた。
「そうそう!!えっとね、ちょっと待ってぇ…」
あ…、と携帯を開いた梨子が驚いたように声をあげる。
「…もう12時半じゃん!!親にバレてたら何気ヤベェかも…」
「もうここまで来たらバレたって仕方ないって~ほら、早くやっちゃお??どうせ狐狗狸さんみたいにくだらないモンだろうしさ」
そう言ってはみたものの、実際は後ろに女がいる感覚が確信に変わっていて、とにかく帰路につきたかったのだ。
うん、と3人共頷く。
「唱えるのはね、えっと~…あ、これだ。皆で一緒に言わなきゃなのかな??一応覚えてね~。
『紅涙スル女ガ叫ンダラ、ソレガゲーム開始ノ合図。』」
その瞬間教室の電気が消えた。風が窓を閉めてあるのに関わらず強く吹く。
「キャアァ!!なになになに!?皆どこ…!?」
前方で声が聞こえる。しかしあまりの強い風で誰か判断がつかない。
懐中電灯をつけようとした時、風の音を無視したような高い叫びが私の耳を貫く。
それは女の叫びのようだった。私の後ろから聞こえる。
やっぱりいたんだ!!校舎に入った時から感じていた女!!
ガンッッ!!!と鈍い音と共に後頭部に激痛が走ったのを感じ、私は暗闇に落ちていった。
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