これぞ一目惚れ

11/19
前へ
/21ページ
次へ
あぁ嫌だ。ゾワゾワとするこの感覚が、滑るこの手が、何もかもが。 「いゃ、やだっ」 「やなら言えよ。トモヤって。そうすれば、契約成立なんだから…。」 ピクリと体が微かに揺れる。 手が胸に到達し、刺激された。 そして頭の中ではさっき言われた言葉がぐるぐると回っていた。 …ー契約ー…? 何故、契約なんて言葉が出てくる? 「学ったらなかなか言わないんだもんなぁ、俺の名前…。星人星人って…もしくは宇宙人。これじゃ契約なんかできねぇっつの」 「嫌だ、嫌だ、触るなっ」 頭を振ってひたすら耐える。 契約なんて言葉、もうどっかにいって、ただ今はひたすら快感に耐えるしかなかった。 ークス…君は淫乱だなぁ… ハタと目を見開き、頭に浮かんだ言葉を即座に消した。 違う、違う、俺は淫乱なんかじゃない、 「クク、学さぁ、もう立ってんだけど。」 胸を触るヤツの手が憎い。 涙目で睨めば、形の良い口角が更にニヤっと笑った。 「やっぱり綺麗だな、それに、お前みたいな人間は大好物だ。確か…淫乱…って言うんだっけか?」 「ち、違う!!俺は違う!!」 ヤツに言われた瞬間、カッと頭に血が上った。 予想以上の力が加わったのか、ドンッとヤツの肩を押したら、「おっと」と言ってヤツはよろけた。 「んなに怒んなくても…」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

177人が本棚に入れています
本棚に追加