これぞ一目惚れ

15/19
前へ
/21ページ
次へ
「学、これは命令だ」 「め、命令!?」 命令って、何でこんなやつに命令されなくちゃ…っ 体を動かそうにも動かず、慌てる。 「そう、命令。なぁ、命令聞けなきゃ、犯すぞ?」 「おか…っひ」 耳に這わされる舌に、びくりと肩が上がる。 こんなの卑怯だ。 ズルいじゃないか、力が対等でないなんて…勝てる筈がない。 「だ…れがお前の命令になんか従うか!」 「ふん、気だけは強いんだな…ま、そこも気に入ってんだが」 クスリと笑った星人が憎い。 何でこんな奴に気に入られなくてはいけない! 「学、そんな顔すんな、俺はお前を思って…」 「何が…、何が思ってるだっ」 こんな事して、何が…っ何が…っ 「まぁ、今はいい。今は何も知らなくてもいい。」 フッとした瞬間、体の力が抜け、奴にもたれかかった。 「学、今は、今はこうすんのがお前の為だ」 「……」 何だ? 意識が遠のいていく。 これも、コイツの力なのだろうか? 「何もしねぇよ、安心しろ」 そのまま、俺は連れて行かれた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

177人が本棚に入れています
本棚に追加