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社長は俺の言わば命の恩人なのだ。若く、しかし何処か威厳がある社長。
「星人な訳がない!!社長は…」
「まぁまぁ、落ち着けって、でもいいか、絶対に近寄るなよ、これからはアイツの所に行く時は必ず俺を連れてけ。」
頭が混乱する。何かで掻き回されたようにグチャグチャになる。コイツが来てから訳分からない事が多すぎる。知らなくてもいい事ばかり知って、コイツは一体何がしたいんだ?
「お前は!!…お前は何しに地球に来たんだ…」
「…ん!おぉー!やっと俺に興味を示したな学、」
ニコニコと笑いそう言った星人を睨みながら。その答えを待った。
「俺は、星人王子だって事は言ったな、それから、俺は俺の星から逃げ出した重罪人三名を追ってきた。警備隊を送った筈なんだがな、どうも報告が全く来ないから俺が出向いたって訳だ。」
「…重罪人…」
聞いて、そうだったのかと力が抜けた。どこの星にも犯罪はあるんだと思った。
学は、目を伏せた。
「…?学?どうした?」
「いや…何でもない。」
ふと遮る記憶に頭を振って。もう昔の事だと目を開く。
過去に捕らわれる事だけは、したくなかった。
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