177人が本棚に入れています
本棚に追加
ウキウキしながら車に乗る星人。
まったく、聞いてるのか何なのか…。
「てか狭いな…これ…」
隣を見れば、窮屈そうに背を縮めながら車に乗る姿が。
「そうか…、お前でかいんだったな…」
改めて自分とソイツの大きさを思い知らされた。いくら宇宙人と人といっても、明らかに年下と思われる奴の方が背が高いってのは傷付く。
「我慢して乗れ。嫌なら乗るな。」
「あ、じゃあ…。」
ニヤリと笑うソイツ。
車の後を飛んで追うのはナシだと言おうとして、止めた。
もしも怒らせてしまったら、強姦されかねない…。
「なんだよ、学、んな顔すんなって。冗談だよ冗談。惚れた奴を悲しませる事ぁ俺はしたくねぇ。」
「…そうか…」
少しホッとして、ハンドルを握る。
意外にちゃんとしてるんだな…と思った。
だがそんな思い等直ぐに消えさる。
渋滞に巻き込まれれば指をパチンと鳴らし車を宙へと浮かべてしまうし、スピードは勝手に上げてしまうしで散々だ。
もう分けが分からない。昨日までの日常を返してほしいと後悔した。
「ほら、付いたぞ下りろ。」
「まったく、人間ってのは何て狭いもんに乗ってんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!