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付いた途端愚痴を零すソイツ。
まったく、付いていけない。
「ほら、もう付いたんだから俺につきまとうな…ってオイ!」
さっきまで隣にいた星人は、気付けば隣にいない。
どこへ行ったかと辺りを見回せば、会社の入り口にいた。
まったく何をバカな事を…会社に入ろうとしているのだろうが、そこには勿論警備員がいて、阻止されている…
ハズなんだが…
「学!入っていいってよ!」
「な、なにぃいい!!?」
そんなハズは…
警備員を見ればニコリと笑顔。星人を見れば…
「な、いつの間にお前着替えたんだ?」
「あ?さっき。」
髪は上へ持ち上げられ、いつの間にか服装はスーツ姿。
有り得ない。今の今までで何処に着替える間なんて…。
「ココ、学の会社なんだろ?」
「…ま、まぁ…」
「俺、今日からココの新入社員だから。」
「…はぁ!!?」
な、何で?いつ?
「学、いつまでもそんな驚いてちゃ身がもたねぇぜ?俺、星人。」
「ほ、ほし……そ、そっか…宇宙人なんだ…」
ヤツの言葉にフっと記憶が遮る。
そうだ宇宙人だって今頃思い出して、隣でクスクスと笑うソイツを横から蹴り上げてやった。
それよりも、と…まだコイツはついて来るつもりなのかと、気が滅入って溜め息をつくのだった。
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