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「ま、実際問題それが君様のおためになっているかどうかはわかりません。君様はひとを殺さなければならないのですから、まともな精神を抱えたままそれに耐え――」
話しながら、ふと彼女がいる方に顔を向けると、そこには誰もいなかった。
「零ちゃーん! さあ、やるわよ! ほら、いつまでも落ち込んでないでしゃっきりしなさい!」
と、いつの間にか零の背中をパッシーン。島で一番偉い人をエビ反りにさせている。
「あんのアマ……まじでいっぺん殺したろか……」
「し――じゃなくて、ふたばちゃんもこっちにおいでよー! ほら、鷹遠くんも! あ、このちゃん、草履ありがと。慶ちゃんとぼたんちゃん、部屋の中に転がってる木材持ってきてくれる?」
彼女はいつだって、みんなを呼ぶ。
こっちこっちと強引に引っ張って、気づいたら誰もが夢中になっている。
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