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「あ、あの、お邪魔し――」
玄関で頭を下げようと思った直後、
「あぁあんっ、なにこの可愛い子っ!」
爆裂ダイナマイトボディの下着美女にものっすごい抱きしめられた。おっぱいで窒息しそうとかどんな夢物語だよ。
「かおちゃんテメェ、ガキのくせに女の子連れ込むたぁ、どういう了見だコラ! ああああ、かわいっかわいいぞこのやろー」
「あ? おまえ女なの? つーか、服着ろよ。みっともねえ」
「お、おと、こ……れす……」
く、苦し……。
「ぇえっ、男!?」おっぱいが離れて、かわりに美貌がまじまじと俺の顔を見る。「こ、こんなに可愛いのに!? こ、こんなに目ぇくりっくりなのに!? こ、こんなにちっちゃくて細っこいのに!? 一緒にお風呂入って一緒に寝たかったのに嘘だぁあああ!」
「え、ええと……、戸部たすくです……」
「帰る場所ねえっつうから連れてきた。たすく、その痴女、姉貴」
薫が冷蔵庫に顔を突っ込みながら、補足にならない補足と紹介にならない紹介をする。
その脇で、
「おと……この……こ……」
と、何がそんなにショックなのか、きらたんサンは、四つん這いになるくらいヘコんでた。
当時はとにかくビックリな人って感じだったけど、今思い出すと超カワイイよね、きらたんサン。
薫さあ、きらたんサン以上に美人で可愛い女なんて、この世にキョンぐらいしかいないんだからさ、そろそろ現実見て妥協しとかないと一生結婚できねーぞ。
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