友達

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「京子ちゃん♪お疲れ様でした。声も出てたし初日にしては合格よ」 時間は9時少し前、優子が声を掛けて来た。 あれから京子の声は店内に響いてお客さんからも 「おっ新人?頑張ってね」 と声を掛けられるようになっていた。 このコンビニにはかなりの常連さんが居るようだった。みんな優子に一声掛けて買い物して帰る。優子の存在の大きさが解る。 「お疲れ様。時間だから上がって。タイムカード押して店長にメアドメモして帰ってね」 (そうだすっかり忘れていた…) 「はい。」 更衣室で制服に着替えて携帯のメアドを店長の机に貼付けて… (これでよし♪9時5分門限間に合う) 「お疲れ様でした、お先に失礼します~」 「お疲れ様~また明日よろしくねぇ」 「はぁい♪」 優子や深夜のアルバイトに別れを告げてコンビニを後にした。 京子はいつの間にか学校でのA美の事を忘れていた。 「ただいま~」 家に着くととりあえずお風呂に入ってコップにジュースをついで飲んだ。 (はぁ~美味しいかも♪) まるで風呂上がりにビール呑んでる親父だな…なんて事を思いながら自分の部屋に入った。 「とりあえず宿題やらなきゃ、バイトさせてもらえなくなっちゃう…」 門限を守ることと宿題は必ずやることが条件で親からバイトを許してもらっていたので、程よく疲れてはいたが机に向かった。 また今日に限って苦手な数学の宿題があった、教科書をめくるとズラッと公式が並んでいた。 (……うっ……なんだこれ…こんなの習ったか?) そう思った瞬間あのA美の顔がちらついた。 (そうか、今日授業に集中出来なかったんだ、、) 普段もあまり授業には集中してはいないがバイトをするから頑張ってやろうと思った矢先だけに出鼻をくじかれた感じになった 「あ~~もぉあいつのせいよ」 ぶつぶつ言いながら何とか予習しているつもりで終わらせた。 (ふぅ~……頭ん中一杯…バイトより疲れたかも) そう思いながら布団に入っていつの間にか寝入っていた。
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