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事の始まりは2月5日───
「奈留~!!
良いこと聞いちゃった♪
内木場クン、チョコ系のケーキが好きらしいよ♪」
したり顔であたしにそう告げてきたのは、親友の江倉京子だった。
一見すれば、あたしとは正反対で髪を茶色に染めてクルクルに巻いてるイマドキな女子高生だけど、実は女子空手部部長だったりする強者。
実家が空手道場をやっているあたしとは、入学式以来意気投合し、何でも話せるような仲なのだ。
そんな彼女が、何でそんなにニヤニヤしながらあたしに報告するのかと言うと…
その名の主…
内木場 楓[ウチコバ カエデ]は
あたしの片想いの相手なのだ…。
「まっまぢで!?
どうやって知ったんだよ!?」
この口調でも分かるように、あたしは男勝りなヤツで…クラスの奴らがあたしに好きな人が居るなんてこと知った日にゃあ…全員が固まっちまうか大爆笑するだろうな…;
あたしだって、普段男っぽくしている分、恋愛事に関しては気恥ずかしさを感じる。
けど、どんなことでも真剣に話を聞いて考えてくれる京子には、こういう話も出来るんだ!
京子にはいつも感謝してる…
「ふふふ…さっき部活のミーティング前に内木場クンと男子がバレンタインについて話してるのを聞いたのよ♪」
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