石の感覚

1/1

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ

石の感覚

「好きだ!」 公園の古びた石碑の前で、 二人で大声で叫び強く抱きしめ合い、 お互いの強い愛を確信しあったあの場所に、 時が遥かに流れた今、一人で立っている。 寒い風が全身を凍らせ、日が沈む瞬間の微かな光。 今、君はこの世に存在しない。 沢山の喜びと、想い出を私の中に刻み、二度と戻れぬ、 深い闇の中に、一人で迷い込んで行った。 「空よ!星よ!闇の暗い道に光を照らせ!」 「そして、まだ誰も見ぬ、心豊かな場所に導いてくれ!」 永遠に消えぬ、刻まれた絆と共に...... 石碑は、今日も見ていた。 これからも........
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加