4人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
石の感覚
「好きだ!」
公園の古びた石碑の前で、
二人で大声で叫び強く抱きしめ合い、
お互いの強い愛を確信しあったあの場所に、
時が遥かに流れた今、一人で立っている。
寒い風が全身を凍らせ、日が沈む瞬間の微かな光。
今、君はこの世に存在しない。
沢山の喜びと、想い出を私の中に刻み、二度と戻れぬ、
深い闇の中に、一人で迷い込んで行った。
「空よ!星よ!闇の暗い道に光を照らせ!」
「そして、まだ誰も見ぬ、心豊かな場所に導いてくれ!」
永遠に消えぬ、刻まれた絆と共に......
石碑は、今日も見ていた。
これからも........
最初のコメントを投稿しよう!