第二章~母の死~

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…曹操は曹叡がまだ子どもであるにも関わらず、宴会に出席するたびに同行させ、側近の家臣達と共に列席させた。 ある者が、曹叡の賢さを試そうと、曹操に言った。 「丞相(曹操の漢朝における役職、群臣の最高位)、宴会の余興として、叡様に一つ謎かけを致したく思います。いかがでしょうか」 曹操は笑って頷いた。 「それはおもしろい。だが、叡は賢いぞ」 やがて、曹叡の前に連環の玉(いわゆる鎖のように繋がる玉)が運ばれてきた。 「叡様、この玉を解く事は出来ますかな」 周囲の者はこれを聞いて、「子どもに対して、なんと難しい問いをするのか…」と思った。 曹叡は首を傾げながら、じっとその玉を見ていた。 曹操が言った。 「どうだ。元仲にこれが解けるかな」 曹叡は頷いた。 「はい。ただ、道具が要ります」
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