第二十一章~毛皇后死去~

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…郭夫人への寵愛が高まるにつれて、徐々に毛皇后への寵愛は日に日に薄れてしまった。 度重なる皇子の逝去を、彼女と一緒にいると思い出してしまうのである。 郭皇太后が亡くなって心が不安定になっている曹叡には、それは耐えがたい事だった。 それでも郭夫人にも遠慮があったし、曹叡にも皇后を気付かう気持ちがあったため、大事には至らなかった。 しかし景初元年九月、ついに事件が起きた。 その日、曹叡は後宮の庭園で位の高い女官を集めて小宴を催した。 美しい楽曲が演奏され、才ある女官が詩を競い、大いに盛り上がった。 皇后不在を見た郭夫人は言った。 「陛下、どうぞ皇后様もお招き下さい。この様な宴にいらっしゃらないとは、知らないに違いありません」 曹叡はじっと郭夫人を見ていたが、やがて言った。 「…いや、折角の宴だ。皇后が後から来ては皆も不安になるだろう。皇后には知らせるな」 「しかし…」 「…今回だけだ。ただ必ず皇后の耳に入れてはならんぞ」 郭夫人はまだ何か言おうとしたが、曹叡は手で制して再び杯の酒を口にしたのだった。 魔が差したと言うべきか。 心に引っ掛かるような気まずさを感じながらも、曹叡は首を横に振って宴を楽しむことにしたのであった…
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