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「どうだい、考えはまとまったかい?」
彼はトーストとティーセットの乗ったトレーを持ちながら、器用に片手で梯子に捕まって下りてきた。彼が床に足を着けたのを見てから、僕は首を振った。彼は満足そうに頷いた。
「そうだろうね。君はこの白い部屋しか知らないんだ。それを確認しただけでも大きな一歩だよ。それはそうと、とにかく食事だ。外じゃみんな朝飯を食べる時間だよ。そんなところに立ってないで、座ってくれないか」
僕は何も言わずに彼に従った。彼はトレーを置き、僕に向かい合って座った。
「コーヒーはブラックでいいね。どちらにしろ砂糖は持ってきていないから」
彼はそれきり黙ってトーストを食べ始めた。僕も腹が空いているとは思わないが、とにかく食べることにした。
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