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「私、きらりっていうんだ」
そう言った女性を見ながら、珍しい名前だなぁとぼんやり思っていると
「君は?」
ああ、涙で化粧がぐちゃぐちゃだ。
長いまつげだなぁ。
「ねぇ、君は」
「あ、自分は、愛です」
へぇ、と呟きながら、きらりはジロジロと自分を眺めていた。
「そっか、スカート履いてるもんね、男の子かと思った」
「よく言われます」
「あと、なんで自分って言ってるの?背は高いけど見た感じ体育会系じゃないよね」
「ああ…、えっと」
見ず知らずの人に話すことでは、ないと思った。
「言いづらいこと?」
きょとんとした顔を見ていると、言ってもいいんじゃないか、と思ってしまった。
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