きらり

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 人が居る。 いつもは誰も居ないのに。  その公園に人影を見たのは初めてだった。 少し怖い気がして引き返そうとした。 「……待って」  今にも消えそうなか細い声が聞こえた。 女性の声だ。 「どうかしたんですか」  そう答えながら近づいて行った愛は息をのんだ。  女性の腕に血が滲んでいるのが辛うじて見えた。  冬なのに背筋に汗が伝うのを感じた。
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