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『プルルルルル・・・』
微妙な空気の中、電話が鳴り響く。
「し、失礼します」
「うむ」
「はっ、・・・ええ、はい、はい、了解しました」
「何か事件かね?」
「はっ、この近くで引ったくりがあったみたいで・・・」
「・・・何?」
地獄から響いてきたかの様な、聞いた者全てを恐怖に陥れる恐ろしく低い声だった。
「え、あ、ですから、その、引ったくりが・・・」
しどろもどろになりながらも説明しようとするが。
「引ったくり・・・。今、引ったくりと言ったか?」
怒りを押し殺した声、隠しきれない殺意が声に宿っている。
「は、は、はははいぃぃ!!」
膨大な殺意当てられて、顔が引き吊り声が裏返る。
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