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「どうぞ」
秘書官は鋸の取っ手の片方を自衛兵ではなく、巡査長に差し出した
「え?」
まさかの展開に脳が追い付かないらしく、固まってしまう
「さっ、遠慮なさらずに」
なかなか巡査長が受け取らないので、手を取り半ば強引に取っ手を握らせる
「いや、その、本官がやるのですか?」
「・・・他に誰かいるのか?」
「あの、こういった事は初めてでして・・・」
どうにか取っ手を手放そうと適当な理由を挙げてみる
「何、相方と息を合わせて鋸を引くだけだ、何が難しい?」
若干苛立つ閣下
「い、いえ、何分慣れないもので、閣下のお気に召さない事があるかもしれませんし・・・」
「成る程、一理あるか。では秘書官!巡査長殿を手伝ってあげなさい」
「はっ!」
「ええ!?」
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