閣下、一日総理大臣に就任

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「・・・っと、そんな訳で1日総理大臣に任命されました、ヴラド・ツェペッシュです。皆様、1日限りではありますが誠心誠意、この国を良くする為に働かせて頂きます、宜しくお願いいたします」 就任挨拶を終え、深々と頭を下げる閣下。 途端、出席していた全議員が立ち上がり拍手の嵐が会場を埋め尽くす。 閣下が頭を上げ、抑止するように手をかざす、すると拍手が止み、全員が静かに着席した。 「私はまず、150兆円とも言われている赤字を生み出す財政をどうにかしたいと考えています、その為には赤字の原因を排除する事から始めるべきだと私は思うのです、おい・・・」 指を鳴らす閣下。普段であれば蜂の巣をつついた様な騒ぎになる発言だが、その圧倒的な意思を持った演説に口を挟める者はこの会場には居なかった。
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