閣下、一日総理大臣に就任

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「お言葉ですが私は横領などしていません、冤罪です、死刑にすると言うのであればせめて証拠を見せて頂きたい、まぁ、あればの話ですがね」 一人の議員が閣下と正面から向き合う、証拠なんかある筈がないと確信している顔だ。 「証拠だと?この書類が貴様等の罪の証拠だ、貴様等が関わった金の動きの全てがここにある、機密予算とか言うのも含む全てがな!これを見れば貴様等の不正の事実は一目瞭然!他にも何か言いたい事はあるか?・・・無いなら次っ!」 決定的な証拠を突き付けられてなお、口を動かそうとしている議員を一言で切り捨てる、どうやら有罪と決めた人間の話は聞かないつもりらしい。 「か、閣下!我々は5%という他の先進国に比べれば無いも同然の税率で遣り繰りしているのですよ!?赤字は出て当たり前なのです!」 パニック陥っているのか別の議員が見当外れな事を言い出す。 閣下は困った様にこめかみを押さえ、深く息を吐いてからその議員と向き合い、言い放つ。 「・・・はぁ、お前は頭が悪いのか?いいか?よーく聞け?貴様の言う他の先進国はな、確かに30%等というような高い税率の国もある、だがな、そんな国は例外無く福祉や教育等が大変充実しておるのだ、例えば医療費がタダ同然だったり、学費が大学院までタダだったり、子供が生まれれば赤子用の衣類・ミルク・オムツ・玩具が無料で支給される国だってあるぞ?この国にそんな制度があるのか?無いだろうが!何もしていないクセに都合の良い事を言うな!!解ったら黙れ!!次っ!さっさとしろ!」 頭の痛い議員を即刻切り捨て次に行こうとするが、我先にと自らの正当性を訴える醜い議員達を一瞥し・・・。
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