第一章・始まり
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小鳥の囀りが耳に心地いい。 薄目を開けると、朝日に照らされて景色が色づき始める。 一日の始まりを告げるこの時間が、俺は好きなんだ。逆に一日の終わりを告げる夕暮れ時の、景色が色彩を欠いていく時間も好きなんだ。 そんなことを思いつつ、枕元の時計を見る。 規則正しい音をたてて針が動いている。 時間は6時。 この季節にもなると、明け方が早くなりつつある。 季節は5月であった。
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