第一章・始まり

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大切な用事を思い出したのだ。 今日は確か晴れ。今週の天気予報は間違いないだろう。 陽気が頬を照らしていく。今日は、杏奈とデートの約束をしていたのだ。 5月の連休の晴れの日曜日に、ちょっと遠出をして動物園に行こうと約束したことを忘れていた。 そこから近くに出来たというクレープ屋に行こうと話しながら予定を練っていたのである。 だがカレンダーを見ると、今日の日付には何のマークも書かれていない。 思い違いだろうか? いや、杏奈が言ってたぞ。『連休中の日曜日が晴れていたら、デートとかいいね』 まるで昨日のことのように思い出す。
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