第一章

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「小僧……それでも本気か? 死ぬ気を見せろ。お前は、歴代でも最低ランクの使い手だぞ」 賢一の努力に関わらず、ハクの厳しい激が飛ぶ。 賢一は怒りを感じ、ハクを睨みつける為、目に力を入れた。 すると賢一の目の瞳の部分が白く濁り、一瞬だが、真っ白になった。 その瞬間、ハクの身体は花火のように、大気に弾け飛び、また収束した。収束した後のハクの姿は、重厚感たっぷりな、貫禄漂う真っ白な虎になっていた。 「怒りの力を借りてようやくか。……しかし、よくやった。これが『元化』だ。わしの本来の姿はこれだ」
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