第一章

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賢一は目の前に突然現れた虎に驚き、腰を抜かしそうになった。 「と……虎だぁ」 「何をいまさら……小僧がやったんじゃろが」 「僕が?」 「そうじゃ。わしに大気に漂う妖気を集め、虎の形にする……それが元化じゃ。すべての基本だ。覚えておけ」 「基本って……これで終わりじゃないの?」 「まだ準備体操程度じゃな」 賢一は喜ぶ暇もなくげんなりした。 「どこまで続くんだよ~今日はもういいじゃん」 賢一は疲れが一気に出たように、ぐったりして、眠くなってきた。 虎化したハクは、何かに気付いたように辺りを見渡した。
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