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賢一は目の前に突然現れた虎に驚き、腰を抜かしそうになった。
「と……虎だぁ」
「何をいまさら……小僧がやったんじゃろが」
「僕が?」
「そうじゃ。わしに大気に漂う妖気を集め、虎の形にする……それが元化じゃ。すべての基本だ。覚えておけ」
「基本って……これで終わりじゃないの?」
「まだ準備体操程度じゃな」
賢一は喜ぶ暇もなくげんなりした。
「どこまで続くんだよ~今日はもういいじゃん」
賢一は疲れが一気に出たように、ぐったりして、眠くなってきた。
虎化したハクは、何かに気付いたように辺りを見渡した。
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