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「蟲か? こざかしいわ」
向かってくる蟲に向けて、ハクは小さく吠えた。
その咆哮は超音波のように、大気を震わせ、向かってくる蟲達を、粉々に粉砕した。
ハクが蟲への戦闘態勢を取ったため、支えを失った賢一の身体は、道路に寝転ぶように倒れた。
「小僧!!」
賢一は寝てるというより、気を失っているように、倒れたまま動かない。
今度は道路脇の溝から、蟲が這い出してきた。
後から後から這い出してきて、道路が見るまに、蟲で埋め尽くされていく。
ハクは再び、道路の蟲の方に向き直り、身体を低くして、戦闘態勢を取った。
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