第一章

3/36
前へ
/157ページ
次へ
真っ白という色のせいか、猫にはどこか動物には相応しくない、気品が溢れていた。 「ハク……なんでこんな時間なの?」 少年は当たり前のように猫に話かけた。 すると不思議な事に、ハクと呼ばれた猫は少年の方をちらっと見て 「言っただろ? この時間が1番妖気が濃密なんだ」 猫からではなく、大気のどこからか声がした。 そしてその声は耳ではなく、頭の中に直接語りかけるような感じで聞こえてくる。 少年はその声に慣れているようで、声に驚かず、ため息まじりに会話を続けた。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!

148人が本棚に入れています
本棚に追加