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「鈴音も17歳か。娘が大きくなるのは早いもんだなぁ。」
「そうね。あと3年たったら成人よ~。」
「鈴音、彼氏が出来たらお父さんに紹介するんだよ?」
「あ~ら、いくらそんなこと言ったって、鈴音がお父さんに紹介するとは思えないわよ。」
「大丈夫ですよ。鈴音の彼氏は俺が見定めますから!!」
「まぁ、本当に?」
「いやぁ、頼もしいね。いっそのこと竜也君が彼氏になってくれればと思うよ。」
………。
今日は私の誕生日。
ハッピーバースデーよ。
ハッピーバースデー!!
で、全然ハッピーじゃないのはこいつのせいだと思う。
隣でケーキを食べながら、ニコニコして私の両親と団欒中のこいつ。
馬橋竜也(マバシ・タツヤ)
同じく17歳。
幼馴染み。
なぜ、ここにいるの?
理由は簡単。
異様に竜也を気に入っているうちの両親が呼んだから。
「だって。鈴音。俺達付き合ってもいいってよ?」
満面の笑みを浮かべるこいつを蹴り飛ばしたい。
「無理。竜也、別に女に困ってないでしょ?」
「あはは~。」
何を照れてる馬鹿竜也。
こいつ、皆さんにお見せできないことを悔やむくらい顔が良いんです。
顔は。
あ、顔と運動神経だけは。
あとは存在理由がわかんなくなっちゃうくらいダメダメ。
「そういえば、竜也君は昔から女の子にモテてたものね~。」
美形好きのうちのお母さん。
滅法竜也に甘くて弱い。
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