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あれ、久しぶり。 こんなとこで会うなんて すごい偶然だね。 最近調子はどう?元気? ところで 長い間会わないうちに 君、えらく強そうになったね。 そんな重そうな鎧つけて。針ネズミみたいだね。 あれ、そんな拳銃も持ってたの? 常時戦闘体制なんだね。 もうちょっと近くに行ってもいい? このベンチ狭いから。 ............痛っ。 このトゲよく切れるね。 そりゃ強そうに見えるわけだ。 ちょっと、それ、どうしたの。 君の手、傷ついてるよ。 誰かと戦ったの? .....もしかして 自分の鎧で怪我したの? 危ないなあ、大丈夫? ねえ、 この鎧どうして着てるの? そんなに誰かが君をいじめるの? 震えてるね。 僕が怖い? 僕は君をいじめないよ。 それと僕が思うに 君は誰からもいじめられてないよ。 嫌われてもいないよ。 怖いんでしょ。 君の心は優しくて、繊細だから。 だからこうやって、守って、 戦ってるんでしょ。 でもさ、これじゃ 一番傷つくのは君自身だよ。 重いし、痛いでしょ? ほら、今すぐ脱いで。 怖いし、心細い? 大丈夫。 僕がここにいるから。 僕が守ってあげる。 君が誰かに牙を向けない限り、 誰も君を傷つけないよ。 ほら、手伝うよ。 僕と一緒に生身の心で歩こう。 こっちにおいで。
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