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「ブルファンゴか。んじゃ閃光玉はいらないや」
ブルファンゴとは猪のような動物で、ひたすら突進を繰り返すというある意味厄介な生き物である。
その分、目はあまり使わないので閃光玉のような強烈な光は効かない。
取り出した閃光玉をボックスに戻しつつ羊皮紙の内容に目を通していく。
その中に1つだけ目に留まる文があった。
注意事項:群に一際大きな個体が確認されています。目撃情報からリーダー格の可能性がありますので注意してください。
リーダー格。
それは群の中でも一際大きな固体で、他の個体とは体の特徴も強さも違う。
肉食竜のリーダー格は頭のトサカが大きく発達しているし、ブルファンゴのリーダー格であれば角が大きく発達し、体毛の一部が白くなっている。
そのことからリーダー格は他の個体と区別するため名前に「ドス」をつけて呼ばれている。
ドスランポス、ドスギアノス、ドスゲネポス、ドスイーオス、ドスファンゴといった風に。
しかもリーダー格は統率力に優れており、いるだけで群れの強さは格段に上がる。
「ドスファンゴが居るかもしれないんだ・・・気をつけないと」
道具の準備が終わったカズは、羊皮紙をポケットにしまって立ち上がった。
これ以上は依頼主などが書いてあるだけで、読む必要はない。
「よしっ、準備完了!さ~て行くかな~」
軽く背伸びをし、壁に立て掛けてあった武器、プリズンハンマーを取るとカズは外へ出た。
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