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大都会。
そんな所には似合わなく誰も気付かない。
とゆうより、誰にも気付かれたくないとゆうようにその店は息を潜めて立っていた。
「もう営業してるのかな?」
特に可愛いって訳でもオシャレって訳でもないのに。
なにか店からはへんな魅力が漂ってくる。
カランッカランー…
店のドアを開けると鈴の音が鳴り、ウェイターであろう少年がいた。
「おやおや。まだ開店時間ではないのですが…。
まあいいでしょう。時間前に入れたという事は何か貴方は特別なのですね。」
そう言って私のそばまでやって来る。
「いらっしゃいませ。
当店ではお客様に『自分』を味わって頂いています。お一人様ですね?」
「あ、はい…。」
にっこり微笑み私を綺麗に整えられたテーブルへと案内した。
なぜだか一番奥のだれも気付きそうにないところだ。
まあ静かに食べたいし、ちょうど良いかも知れない。
でも一つ気掛かりなのは『自分を味わう』とさっき少年が言った言葉。
「お客様。メニューです。」
渡されたメニューを見ると何も書いていない。
「あの、何も書いてないんですけど。」
そう言って少年にメニューを見せた。
すると、驚きもせずににっこり笑うと
「やはり。お客様はまだ『その時』がきていないのでしょう。
時間が経てば見れるようになります。その時までお待ちください。」
少年はそう言うと店の準備を再開した。
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