柳我 幸 - ユウガサチ

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客は女の人。 名前がわかるまで女と呼ぼう。 …そう女は考えた。 するとリクは女が考えてる事がわかっているかのように、口を開いた。 「なんの内臓か気になります?」 「…っ!え?」 突然の質問に、女は驚く。 だがリクはそんな事はお構いなしに、口を止めない。 「初めに説明させて頂いたように、当店では『自分』を味わってもらいます。 勿論、火は通させて頂きます。一番美味しく頂く為に。 お客様によって料理方法は異なります。お客様は火を通し、丸焼きにすると美味でしょう。」 口を閉じるとリクは微笑む。 女は話についていけず、口を少し開けてリクを見ている。 そんな女にリクは「これでよろしいですね?」と話し掛ける。 女は無言でメニューを差し出す。 リクは笑顔でそれを受け取り、厨房へとまた消えて行った…。
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