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「よぉっ! 慧、久しぶり!」
耳元であいさつしてきたのは三浦亮(みうらりょう)
中学一年生からずっと同じクラスの親友。
朝は弱いらしくギリギリの時間にいつも来る。
「久々って毎日部活で会ったじゃないか。それより始業式の日くらい早く来いよ!」
「朝だけはダメだぁ。しかも季節は春! 春眠暁を覚えずって言うしさぁ」
そのわりにしっかり身だしなみは整っている。
亮には最近彼女が出来た。
片想いが実ってまだ1ヶ月ほどしかたってない。
告白が成功した時の亮の嬉しそうな顔は今でも鮮明に覚えている。
亮は俺の親友で性格もよく、顔もかなりのイケメンである。
モテるのに意外と硬派で女の子をとっかえひっかえしないこいつが俺は好きだ。
それよりも今は始業式に行かなくてはいけない。
「へりくつはいいから体育館行こうぜ。初日から遅れてられねーだろ」
「急いで自転車漕いだから疲れた~!」
……ったく仕方ね~な。
わがままを言う亮の背中を押しながら俺は体育館に向かった。
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