ひとりずつ

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隼は窓を開けて、桜を見つめていた。 午後9:52。 「今日も学校つまんなかったなぁー…」 隼の言葉は夜の闇に吸い込まれていく。 「明日は…英語と講義2コマか…はぁ」 静かな夜だった。 隼は煙草を吸いながら、ぼんやりと思いを馳せていた。 自転車の走り行く音や誰かの話し声、車のライトが来ては去って行く。 静寂と桜に包まれた街は、時間を追うごとに昼間にはない姿へと変わっていく。
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