~始まり~

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  しばらくして部屋に戻ってきた泉はそそくさと準備を始めて誰よりも早く悠紀子の家を出る。それをみた透夜と凛子は目を合わせて少し笑みを浮かべて泉の後を追うように部屋をでていくとそれをみた悠紀子と春人も慌てて部屋を後にする。    そして家の外に出た五人は悠紀子の執事の運転する車でライブハウスへと向かう。     車を走らせて数十分ライブハウスに到着した五人は何百人入るであろう少し大きな建物の扉を開けて中へと入っていく。  中に入ってすぐに五人は集まっている人達の多さに驚いていると、遠くの方から五人を呼ぶ人物がいるのに気付き、   『 なぁ!?あれさ昴さんじゃねぇの!?』         春人が言うとその視線の先には化粧をして派手な格好をした男には見えない女装した昴の姿があった。それをみた五人はまたもや驚いてその場で固まってしまっていた。すると昴の姿を見たそこに集まっているファンが昴を取り囲みあっという間に騒ぎになってしまう。その騒ぎの中、昴は大きな声で、   『 泉ちゃんライブ終わったら外でまっててよね!必ずだよ!』              昴がそう言ってすぐスタッフが騒ぎをおさめる為にファンから昴を守るように奥の控室に一緒に消えていくとその言葉を聞いた泉はただ黙って少し頬を赤く染めるそしてそれを暑さののせいにするかの様に手に持っていた飲み物を一気に半分程飲みほすとホールの中へと向かい歩きだす。それを見ていた四人は笑顔を浮かべて泉をからかいながら一緒にホールの中へと入っていく。
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