217人が本棚に入れています
本棚に追加
「うおおお!!!
なんじゃああこの不快な機械音はああああ!!」
ジリリリリ……
「てめえかあああ!!
くそ目覚ましがああ!!
せっかく弓崎さんの夢見てたのによおおお!!」
ったく!
もう朝か!
俺は目覚まし時計を乱暴に掴み
不快な機械音を止め
時間を見る。
……七時半じゃねぇか
「のぉぉおぶぅぅぅぅ!!」
俺の声が家全体に響き渡った。
暫くしてパタパタと階段を上る音が聞こえて来た。
ガチャ……
「はーい何でしょ……
うおおおッ!!?」
俺は部屋に入って来た信の胸ぐらを掴み
額をくっ付け、信を睨んだ。
「お前今何時だと思ってやがる?ああ?
七時半じゃねぇか」
「は、はい
叶多さんの家は学校から近いので朝起こすのはいつも七時四十分でいいと……」
「あほかあああ!!今日は特別なんだよ!!
弓崎さんが今日は花壇の花の水やり当番で早いんだよ!」
「弓崎って……、他校じゃないんですか?その子……
あの可愛い子でしょ?」
む……
俺は信の胸ぐらを離した。
「信……
お前あの子の可愛いさがわかるか……」
「え、あぁ……普通に可愛いですね」
信は目を丸くしている。
「ばああっかやろおおお!!
普通じゃねえよ!!
ヤベェんだよ!あの子、弓崎さんの可愛いさは!!
他校なんて関係ねぇぇ!!」
俺は頭の中で彼女の姿を頭に浮かべた。
まずあの子は他の女子とオーラが違う。
「あの髪、あの瞳、あの唇、あの性格、あの声……。
全てが素晴らしい……
おおおおお!!
こうしちゃいられねええ!
弓崎さんが家の前を通り過ぎてしまう!!」
「は、はぁ……」
「お前はいつまでここにいんだよ!!
さっさと出て行け!
番長が支度すんだよ!」
「はっ、はい!」
信が出て行った後
俺は光速で制服に着替えた。
最初のコメントを投稿しよう!