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「髪セット完了!!弓崎さん!」
俺は窓から外を覗く。
弓崎さんらしき人影は歩いていない。
「あぁもう!もう行っちまったか!?」
「あれ?
叶多さん、朝飯は?」
「朝飯だとぅ?
それどころじゃねぇんだよ!
だいたい信の朝飯はワカメの味噌汁じゃねぇから不満なんだよ!!」
「ちょっとぉ?!何どさくさに紛れて愚痴ってんすか!!」
俺は信を一方的に無視し、家を飛び出た。
「だぁーッ!俺の印象が……」
塀の門を乱暴に開けると
足元から猫がブニャーッと叫び
向こうに走って行った。
「うぉ!?ったく……
朝っぱら……か……ら……」
「……猫が……」
塀に隠れて見えなかったが
そこにはしゃがんでいる天使がいた。
走り去った猫を名残惜しそうに見つめている。
……弓崎さん!
マイスイートエンジェル!!
朝っぱらから幸せじゃねーか!コノヤロー!!
泣いてもいいよな?な?
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