始まり

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朝のでスッカリ落ち込んだ俺の気分。 …… 弓崎さんの笑顔が見てぇ……。 どこのどんな薬より効くよなあ…… あのエンジェルスマイル。 「おぅ、どうした叶多 飯食わねぇのか?」 俺の幼なじみ 篠沢 理巧が近寄って来た。 コイツは髪の毛がオレンジ色に染まってる為、 変わった趣味の奴で知られている男前だ。 「もう昼かよ……」 「だってお前、午前中ずっと寝てたからな。 時間経つの早いだろうよ。 まぁまず飯を食え飯を」 「飯とかそう言う気分になれねぇ……」 理巧は自前のパンをムシャムシャしながら勝手に俺の鞄から弁当を出す。 俺今日弁当入れた記憶ねぇな。 ……あぁ、信か……。 「何、また美羽ちゃん?」 「お前も下の名前で呼んでんのか」 「お前も呼びゃあいいだろ」 「おまッ……」 自分の顔が赤くなっていくのが手にとるようにわかった。 「んなもん、恥ずかしいだろが! しかも俺と弓崎さんは特にこれと言った面識無しなんだよ!! 馴れ馴れしいにも程があるだろがこの蜜柑やろう!」 「うぉい何が蜜柑だ。 頭の色だろそりゃ。 だいたい不良の番長に馴れ馴れしいもクソもあるかよ、馬鹿たれ。 てゆうかお前の舎弟全員 美羽ちゃんのこと知ってんだろ? 協力してもらえば?」 この蜜柑が! そんな簡単なもんじゃねぇんだよ!! 「不良でも中身はピュアなんじゃああ!!」 「寝言は寝て言え。 なぁ、お前ルックスは悪くないんだからさ、 頑張ってアタックすれば? 話はそこからだろ」 こいつの話はいちいち痛いとこをついてくる。 朝のでHPが大幅に減ったと言うのに また減らす気か。 どれだけ俺を教会の親父の所に連れて行きたいんだお前等は。  
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