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「でも俺たちの桜高と美羽ちゃんの通う光澤高が近くてよかったな。
叶多。
会う回数だって少なくはないだろ?」
確かにそれも運命だと思う。
や、運命だろ。
なのに……
なのによぉぉぉ!!!
「いったいどこのどいつなんだあの馬の骨はあああ!!
弓崎さんに気安く近づきやがってえええ!!」
「馬の骨?誰の事だよ」
「えー……っと
なんだっけな、あいつの名前……。
豆腐、じゃなくて、弓崎さんは確か
美咲……っつってたな……美咲……冬馬?」
理巧がパンから目を離し
俺を見る。
「美咲冬馬?
美咲ってあの美咲?」
「どの美咲だ馬鹿理巧。
主語はちゃんと使え
中学の時国語で習っただろうが」
「習ったよ。馬鹿叶多。
美咲っつったら
光澤高校で最も女子の支持率が多い王子様的存在なんだよ。
結構有名だぞ?」
王子様だと?
あいつホントに王子だったのか。
俺の勘は凄いな。
だが……
「気に入らん!!」
「だろうね。
なんにしろ
弓崎美羽は男子の支持率No.一
美咲冬馬は女子の支持率No.一
姫と王子が熱愛ってわけなのか?」
熱…… 愛?
ピシッ
「……あ、ワリィ叶多」
「……
………………
………………………」
「大丈夫だって
まだ確定したわけじゃねぇだろ?」
そうか
所詮そうか
不良の番長が
女子の支持率No.一の王子に立ち向かうっつうこと事態が
銀河系一周より難易度が高いのか。
「だからさぁ叶多……」
そうか
そうなのか
てゆうか絶対あの美咲とか言う奴
弓崎さんに気があるよな。
ちくしょう。
赤飯どうしよう……
「調べに行こうか」
ピクリ
「あ?今なんつった?」
「叶多がそんな気にしてんなら
光澤高校に行って偵察しに行けばいいだろ?」
「いやいやいや
どうやってだよ
制服とかあるだろうが」
「大丈夫だよ
それに関しては……」
理巧の目はたまに獣に見える時がある。
今まさに、その瞬間だった。
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