基本形

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ばたばたばたばたばた。 「ちょーぅじッ!!」 スパァーン。 騒がしい足音の次に、己を呼ぶ声と扉を勢い良く開く音に6年い組中在家長次はそれまで目を通していた書物から目を離し、扉の方に視線をやった。 声の主は潮江文次郎。 同じ6年生で、会計委員会委員長を務める彼は、昼夜お構い無しに鍛練、鍛練、鍛練の通称鍛練馬鹿。 下級生からは「鬼の会計委員長」と称される程、普段は己にも他人にも厳しい彼だが、…。 「……ぐっ」 いきなりその文次郎に抱き着かれ、一瞬長次は息を止めた。 今や文次郎の息は絶え絶え、顔面は蒼白である。
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