片恋

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私があの人とまともに話を交わしたのは、体育委員になって初めての委員会会議の時だった。 それまでは食堂でたまに見かけたり、廊下ですれ違ったりと結構接点があったように思える。 私のサラサラストレートヘアとは正反対のボサボサで手入れのされていない茶色の髪と、いつも楽しそうで、コロコロ変わる表情が目を惹いた。 「4年の七松小平太だ、よろしく」 2年生に上がり、何の因縁か私はあの人と同じ体育委員になった。 「2年、平滝夜叉丸です」 簡単な挨拶の後、体育委員として行うべき業務を確認して、会議はあっさりと終わりを告げた。 当時から頭の回転が速かった私は、正直この委員に何の面白みも期待してはいなかった。 勿論、体育委員として最低限の業務はきちんと行うつもりであるが、他の委員と馴れ合うつもりは全く無い。 特に、一年生と仲良くなんて真っ平御免。 更に言えば、私は私が一番好きだ。 だからこそクラスの誰とも仲良くは無かった。 一人が心地良かったのだ。 誰にも歩調を合わせず、一人自由気ままな生活を送るのが大好きだった。 だから別に友達がいなくても平気だったし、寂しいとも思わなかった。
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