片恋

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「滝夜叉丸」 「?」 今日も私は一人だった。 戦輪の戦子を連れて、一人練習場に向かう私に後ろから声が掛かったので振り返ると、七松先輩が後ろに立っていた。 「一人か?」 「はぁ、まぁ」 「じゃあ、付き合え」 「は?」 七松先輩は私の手を取り、私の返事を聞かずに駆け出した。 連れられたのは学園の裏山。 「あ、あの」 「いけいけ、どんどーん!」 付き合え、と言われたのは「自分のマラソン(鍛錬)に」という事。 日が落ち切るまで私は七松先輩の後をへとへとになりながら追う事になった。 七松先輩が日暮れに気付く頃には、流石の私も体力の限界。 (この人、化け物...) 疲れ果てて途中で気を失った。 その後七松先輩が背負って私を保健室に連れて行ってくれたらしい。 (私が倒れたのに気付いたのは私が倒れてから七松先輩が裏山を3週してからだった) 以後、先輩はよく自主練に私を誘うようになった。 私は、独りでいる事が少なくなった。
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